日本に初めて伝えられた江戸時代には、貝原益軒が「瓜類の下品」と評価はいま一つだったきゅうりですが、東洋医学ではまったく評価が異なっています。
栄養学的には、成分の96パーセントが水分で、カロリーも栄養価も低いので、下品と評価されてしまいましたが、体内の余分な熱を冷まし、炎症を鎮める働きがあり、渇きを癒し、利尿作用も高いので、余分な水分は排出するという効果も期待できます。
今では、栄養学的にも、数種類のビタミンやミネラルが含まれていて、とくにカリウムが豊富で、高血圧や心臓病、腎臓病などの予防に役立つとされています。


きゅうりの栄養・効能
原産地はインド、旬は7月~8月です。
湿気が多く、体内に水分が滞りやすい日本の夏にふさわしい食材です。
江戸時代に著された『和歌食物本草』には、
黄瓜こそ 甘く冷え物 毒多し おこりをふるひ 痰をしょうずる
とあります。
「胡瓜は味は甘く体を冷やす食べ物で摂り過ぎると高熱性の病になったり、痰を生じたりする」
という意味です。
暑気あたりのときには、きゅうりをつぶして両足にはりつける民間療法がありました。
膀胱炎やむくみのあるときには、煎じ汁を用いました。
二日酔いには、実をつぶした生汁を飲むとよいそうです。ウリ科植物がもつ独特の苦味成分ククルビタシンを含んでいるので、茎葉を飲食すれば吐き気を起こします。吐剤として用いられています。
ひんやりとして、たちまちほてりが静まり、熱も早く下がるのがわかると思います。
きゅうりのしぼり汁をキュウカンバといい、化粧水として使用されているのも、熱を冷ます清熱・消炎作用を利用したものです。
高熱のあるときは、発汗を促して病原菌や熱を発散させる必要がありますが、きゅうりのように体を冷やすものを採っては、かえって熱が体内にこもり、症状が悪化することにもなりかねません。
現在は、ハウス栽培が進み、一年中きゅうりが食べられるようになりました。
寒い冬でも躊躇なく口にすることができるようになりましたが、おすすめできません。
間違った食べ方をすれば、薬になるはずの食べ物も毒になってしまいます。胃が弱い人や、陰体質の人も多食しないようにしましょう。
きゅうりをおいしくいただく
板ずりしてえぐみを取る
軽く塩をふり、まな板の上で転がすとイボが取れ、色がきれいになります。えぐみもとれます。
晴れた日には干しきゅうり
一日中干したきゅうりは風味がよくなります。炒め物に便利です。
ぬか漬けにするとカリウム3倍
きゅうりは、ぬか漬けにするとカリウムがなんと3倍になります。お腹にやさしい乳酸菌もたっぷり採れますのでおすすめです。ぬかに含まれるビタミンB₁も加わり、疲労回復効果も期待できます。


いろいろなレシピ
さて、きゅうりには、いろいろな伝説があります。
〇〇してはいけないという禁忌が多いようです。小ネタになれば幸いです😊
家紋の「木瓜紋」は、胡瓜の切り口を図案化したものとの説もある。 江戸時代は、輪切りにすると徳川家の家紋である三つ葉葵に似ているところから、それを食べるのは不敬であるとして、キュウリを輪切りにされることは慎まれていた。
祇園信仰において、スサノオ(牛頭天王)を祭神とする八坂神社の神紋が木瓜であり、キュウリの切り口と似ていることから、祭礼の期間はキュウリを食べないという地方(博多の博多祇園山笠など)もある。
八坂神社がある福井市網戸瀬町ではキュウリ栽培を行なわない。毎年7月14日にはキュウリ祭りが行なわれ、この日は食べることも禁じられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%AA#%E6%B0%91%E4%BF%97
それでは、happyベジタブルな毎日をお過ごしください。