鮮やかな赤色が特徴のビーツ。ロシアの代表的な料理のひとつであるボルシチには欠かせない野菜です。
ビーツは、地中海沿岸地方原産のアカザ科のサトウダイコンの一種です。
かぶや大根と似た形なのですが、ホウレンソウと同じ科の野菜なのです。
和名では、火焔菜(カエンサイ)といいます。火焔。確かにそんな色の野菜です。


ビーツの栄養・効能
ビーツには、血圧を下げる働きを持つカリウムや、お腹の調子を整える食物繊維・オリゴ糖、ビーツの特徴である色素成分ベタシアニン・ベタキサンチン、女性にうれしい働きを持つビタミンB6や葉酸などが含まれています。
ベタシアニンとベタキサンチン
ビーツの色鮮やかな赤色は、赤紫色を発色するベタシアニンと黄色を発色するベタキサンチンによるものです。
この2つの色素は、総称してベタライン色素と呼ばれています。ベタライン色素は高い抗酸化作用を持っています。
老化や病気の原因になるといわれている体の中の活性酸素を取り除く働きがあります。
葉酸とビタミンB6
ビタミンB群の一種である葉酸を特に多く含みます。
葉酸は胎児の発育に欠かせない栄養です。妊娠の可能性がある女性や妊娠初期に摂取するよう推奨されているものです。
ビタミンB6は、皮膚炎を予防することから発見されたビタミンなので、健康な肌を維持するために大切な栄要素と言えます。
食品中のたんぱく質からエネルギー産生したり、筋肉や血液などがつくられたりする時に働いています。
たんぱく質(アミノ酸)の代謝に欠かせないビタミンで、神経ホルモンの代謝にも必要とされています。
たんぱく質を多くとる人ほどたくさん必要になる栄養素です。
注目を集める成分、NO(一酸化窒素)
特に注目を集めている成分が、ビーツを摂取することにより体内で生産されるNO(一酸化窒素)です。
NO(一酸化窒素)は、感染や炎症により体内で慢性的に過剰産生されると生活習慣病を招いてしまいますが、実は私たちの生活の中で、NO(一酸化窒素)は体の中で生産されていて、大切な役割を担っています。
この生産されたNO(一酸化窒素)には、血行を改善し、血管をやわらかくする働きがあります。
血管の中で血栓の発生を防ぐといわれていて、動脈硬化の予防につながります。
狭心症の患者にニトログリセリンが処方されますが、ニトログリセリンが体内で加水分解されることにより生産されるNO(一酸化窒素)の血管拡張作用を誘導するためです。
また、血行が改善されることで、持久力の向上や疲労回復も期待できます。
基礎代謝も上がるので、ダイエット効果も期待できます。
実は、ビーツの成分であるNO(一酸化窒素)の働きは、1998年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。以来、スーパーフードとして注目されています。
あまり日本ではなじみのないビーツですが、積極的に食べたい野菜だと思いませんか?今年は試しに作ってみましたが、暑さに弱いそうなので、来年からは春秋の野菜としてたくさん作りたいと思います!
ビーツをおいしくいただく


茹でてから食べる
細かく切って生で食べる方法もありますが、一般的には火を通して食べます。
ビーツは固いので、丸ごと茹でてから切ります。
皮を剥いてから茹でると色と栄養も溶けだしてしまいます。
鍋に水を入れて沸騰させ、洗ったビーツを丸ごと入れます。弱火でじっくり10分以上かけて茹であげます。
茹でるときに少量の酢を入れると、きれいな赤色に仕上がります。
下ごしらえ
ビーツのレシピ
ビーツには難消化性オリゴ糖が含まれていますし、食物繊維も豊富なので、食べ過ぎるとお腹が緩くなることがあります。食べ過ぎには気を付けてくださいね。
それでは、happyベジタブルな毎日をお過ごしくださいませ。